ある中学生の信仰

僕にとって、そのバンドは哲学と言っても差し支えなかった。

ピアノとギター、電子音やドラムの音。そして透き通るようなボーカルによって構成された音、あまりにもストレートすぎる歌詞。それらによって構成された彼らの音楽は、良い意味で「幼稚」だった。誰も気づかないようなこと、誰も問題にしないようなことを、彼らは取り上げた。虫や花など、自称「忙しい」人たちにとっては、目にも入らない、そのようなことに、彼らは着目した。疑問を投げかけた。中学生だった僕は、彼らの影響を色濃く受け、今に至る。

 

突然彼らの話をしたのは、今日サン=テグジュペリの「星の王子様」を読んだことに起因する。この本もまた、紛うことなき良い作品だった。だがここでは記すべきスペースがないので、いつかまたの機会にとっておこう。

この本を読了した時、僕にある一つのバンドが頭に浮かんだ。彼らの最近の曲はほとんど聴いていなかったので、彼らの一番初めのアルバムの、一曲目を聴くことにした。

もう何百回と聴いた曲だったが、今でも僕の心の中で静かに光り続けている。そして再確認した。やっぱり「星の王子様」と、彼らの音楽は似ているのだ。中学生の頃、心奪われた音楽と、大学生になった今、心奪われた小説が奇妙なマッチを果たした。

僕も「おとな」にならないように、時にはこの本や音楽を思い返すことにしよう。

 

「僕もいつの日か星になる」