2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧
夜は唯一の休息時間であり、一人になれる時間であり、つまりは心と体を本当に休められる時間だった。だから僕は夜が好きだった。中学の時にそれを友達に伝えると、おちょくるような声音だったので不快に思った覚えがある。 夜になると、家に帰って、ベッドに…
「小学生の時に習い事をたくさんしておけばこんなことにはならなかった」そう思っていた。だが、小学生の時に遊び呆けた代わりに残してきた思い出は数え切れないほどあった。マンションでやった鬼ごっこ、少ないお小遣いを持って行った駄菓子屋、今は変わっ…
えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終壓へつけてゐた。 いつでも、どこを歩いていても、何キロもある土嚢を背負っているかのように身体が重かった。いつも歩いているはずの大学への道のりも、やけに長く感じた。道を歩く人々が、敵のようにも感じた。歩い…
①既視感、距離感、人生観 初めてのバイトだった。小学校は窓も、洗い場も、何もかもが低くて、ガリバーの気持ちを思った。そんな小人の世界にも、かつて見たことのあるポスターや先生の服装、学校のしきたり、そんなものが僕らの時代と何も変わることなくそ…